シウコアトル
Xiucoatl

 
容姿・特徴 二匹の蛇の循環的な輪、双頭の蛇などで描かれる。
出典 アステカ神話など
解説 名前は「トルコ石の蛇」の意味。とぐろを巻いた蛇であり、シウテクートリ(「老いた火の神」)の配偶神でもある。
ケツァルコアトルと同じく中米の蛇神であるが、善神であるケツァルコアトルとは対照的に、シウコアトルは火の力と乾燥と旱魃という危険な暴力を象徴していた。

アステカ神話において、シウコアトルは東から昇る太陽を正午までに天頂に届ける役割をしている。テノチティトランで発見された巨大な「カレンダーストーン」は、そのような二匹の蛇が循環的な輪を描いて縁を囲んでいる。「終わりの無い」円周であるその姿は、世界蛇やウロボロスを連想させる。
シウコアトルの石像彫刻はテノチティトランないし境界線を形成している。シウコアトルの郡列はテノチティトラン北方の都市にあるピラミッド基壇の側面下部を構成し、さらにそれの北側と南側には大きなとぐろを巻く蛇も二匹刻まれている。

シウコアトルにはいくつかの姿があり、上記のような円周を描いた姿のほかにも、両端に顔を持つ双頭のトルコ石の蛇としての彫刻も残っている。
またトルコ石の蛇は、戦神であるウィツィロポチトリとテスカトリポカの装身具の一つでもあったらしい。
火の蛇であり、戦神が使う武器でもあり、また儀式用具でもあったりと、その起源は複雑である。
参考文献 世界の神話百科アメリカ編(原書房)

文責 : 白蓮
イラスト : 白蓮