ワイバーン
Wyvern
容姿・特徴
翼を持った二本足のドラゴン。紋章に描かれる。
出典
民間伝承
解説
17世紀頃からイギリスの紋章に見られる翼を持ったドラゴン。双頭の鷲のように紋章学から発生したと思われる。ワイバーンの紋章は「強い敵意」を表し、戦時中や軍隊に使用される事が多かった。
ワニのように伸びた口と、コウモリのような翼、棘の付いた毒蛇の尾を持つ。前足は持たず鷲のような足が二本生えている。
多くは陸に住むが、中には水棲のものも居るとされていて、水棲のワイバーンの指には水掻きが付いている。
角はほとんど描かれず、しばしばリンドヴルムと混同される。
フランス伝承のヴィーヴルがイギリスに伝わり変化したものとも言われ、その語源はフランス語のVouivreがWivere、Wivreと発音しやすく変化し、Wyvernになった。
ワイバーンは、リンドヴルムと同様に中世ヨーロッパで生まれた比較的新しい竜で、紋章の図柄から発生、または稲妻や流星のような自然現象を例えて作り出されたとも考える事ができる。
ちなみに、「串刺し侯」、ドラキュラのモデルとなったヴラド・ツェペシュがワイバーンの紋章を使用していた。彼は「竜騎士(ドラグーン)」の称号をもっており、もしかするとワイバーンは竜騎士の紋章だったのかもしれない。
参考文献
幻獣ドラゴン(新紀元社) 他
文責 : 白蓮
イラスト : エーオース