リンドヴルム
Lindwurm

 
容姿・特徴 楔形の尾を持つ翼を持ったドラゴン。紋章に描かれる。
出典 民間伝承
解説 ドイツ語で「翼のあるドラゴン」(GelugelterLindwurm)と言われる。「wurm」とは長虫の事でドラゴンの描写に使われる単語でもあり、「Lindwurm」は「くねる長虫」というような意味を持つ。
口には鋭い牙が並び、ライオンのような鼻とコウモリのような翼を持っており、体は鱗や体毛で覆われていた。尾の先端は楔形になっている。
鷲に似た前足とライオンに似た後足の四本足である。時には前足か後足のどちらか片方だけで描かれる事も多い。
一説では流星や稲妻などの自然現象が起源だとされ、リンドヴルムが飛ぶ時は体が閃光に輝くとも言われた。

翼のある竜をリンドヴルム、翼の無い竜をリンドドレイク(Linddrache)と呼んでいたようだが、厳密な区別はあまりされていなかったようだ。

リンドヴルムは中世ヨーロッパに作り出され、紋章に使用される竜だった。 主に中世〜近代ヨーロッパで紋章や旗に利用され、「力強さ」「雄々しさ」「容赦の無さ」(または寛容さ)を表すとして、戦争中に好まれて使われた。
上記の事から、自然現象から生まれたという説の他にも、ワイバーンと同様紋章から発生したのではという事も考えられる。
参考文献 幻獣ドラゴン(新紀元社) 他

文責 : 白蓮
イラスト : ドーモ