リタン
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容姿・特徴 七つ頭の巨大な曲がりくねる竜
出典 ウガリット神話
解説 ウガリット神話において、死の神モトや海と水の神ヤムの眷属である竜。1つの唇は 地に着き、1つの唇は天に達し、舌は星まで達するとされるほどに巨大で、日食や月食は、この竜が太陽や月を食べてしまうために起こると考えられていた。雷神バアルが神々の王となるため神殿を立てたとき、それを気に入らなかった弟神であるモトが、己のほうが王になるのに相応しいと主張し、争いとなった。バアルの兄神であるヤムはモトにつき、そのためにヤムの眷属であるリタンはバアルに首の一つ一つを切り落とされて退治された。
シャリート(暴れもの)とも呼ばれ、聖書におけるレビヤタンや黙示録の竜の元となった竜である。
現在ウガリット神話は断片しか残されておらず、この竜が実はヤムそのものであったのか、それとも別の存在であったのかというところは、今も議論されている。
参考文献 ヘブライの神話創造と奇蹟の物語 古代オリエント集

文責 : ARES
イラスト : らさ丸