百頭
ひゃくず
容姿・特徴
百の獣の頭を持つ大魚
出典
仏教 インド神話
解説
元はカピラという名のインドの高僧(バラモン)の転生した姿である。
人間であった頃のカピラは、とても賢く、よく聖典を覚えた人物であったが、同輩の学徒が教典を読み間違えるなどすると、それぞれ犬頭、猿頭などと言い侮辱する悪い癖があった。死後、カピラは魚へと転生したが、その言葉の業により、百の獣の頭を備えた化物と変じた。
カピラが漁師に捕らえられたとき、そこを通りかかった釈迦が、あなたはカピラですか、と問うと、魚は、その通りと答え、息絶えた。
インド史において、カピラは紀元前250年〜350年ごろに、六派哲学の一つであるサーンキャ(Sankhya)学派の開祖となった哲学者である。サーンキャ学派は、この世をプルシャとプラクリティという二つの原理からなるとした二元論を立てた学派であり、この二元に立ち戻ろうとする方法が、いわゆるヨーガである。
参考文献
幻獣辞典
文責 : ARES
イラスト : 松井伯流