ラドン
Ladon
容姿・特徴
百の首を持つ金色の竜
出典
ギリシャ神話
解説
世界の西の果て(オケアノス(大洋)の岸辺とも)のヘスペリア(宵の明星の事)の園という場所に植えられた黄金のリンゴの樹を、七人の娘ヘスペリス(「夕暮れの娘」)と共に守護している蛇。
この黄金のリンゴの樹は、主神ゼウスと妻ヘラの結婚祝に地母神ガイアから贈られた非常に大切なもので、ゼウスはそれを欲する者達からリンゴを守るためにラドンを配置した。
テュポンとエキドナの子、またはガイアの子、また別の伝説では海神ポセイドンとその妹ケトの子とされる百の首の蛇で、百個あるそれぞれの首からは色々な動物の声(または色々な国の言語)を発する事が出来た。
決して眠らず(目を閉じず)絶えずその体をリンゴの樹に巻きつけて樹を守護している。ラドンは樹に生っているリンゴの数までも覚えているという。
ラドンと樹にはヘスペリスしか近づく事が出来ず、もしも何者かが樹に近づこうとするとヘスペリス達の警告を受け、それでも立ち去らなければ不死身のラドンの餌食になる。
しかし、神話中ではこの黄金のリンゴは数回持ち出されている。が、どのような方法で持ち出されたかという詳しい記述はあまり無い。
一説によるとヘラクレスがラドンを射殺したという説もあるがそれは定かではない。
後にヘラが忠実なラドンを祝福し、空に上らせ竜座にした。
参考文献
幻獣ドラゴン(新紀元社) 絵画のなかの動物たち(美術社出版)
文責 : 白蓮
イラスト : 遥