黙示録の赤い竜
Red-Dragon

 
容姿・特徴 火のように赤い七つ頭の竜。七つの冠を被り、10の角を備える。
出典 キリスト教(新約聖書 ヨハネの黙示録)
解説 新約聖書「ヨハネの黙示録」に登場する巨大な竜である。その尾は天の星の三分の一を履き寄せて地上に投げつけ、災厄を起こす。また、人々を鉄の杖で納める王となる子を食おうと、その子の母親の前で待ち構えるものである。最後に竜は己の使いを引き連れ、天使ミカエルを筆頭とした天使の軍団と戦い、破れて地上へと投げ落とされる。
落ちた竜は王となる子を産んだ女を追うが、女にはワシの翼が与えられ、また大地や神の業にて保護されたため、竜は口から水を吐いて女を押し流そうとするものの、結局危害をあたえることができない。そこで、竜は「黙示録の獣」を呼び出し、己の力、権力などを与えて人々を苦しめた。
最後に竜は捕らえられ、千年の間、底無しの淵に封印される。
聖書の中で、この竜は沢山の名で呼ばれている。古き蛇、サタン、全人類を惑わすもの、などである。そのために一般的に、この竜=サタンとされている。
この竜の頭の数、冠の数、角の数は、一説によれば当時のローマ諸国の王達を現しているともされており、また、竜=サタンという意味合いだけではなく、竜=人の心に住む普遍的な悪を現しているという解釈などもなされている。「ヨハネの黙示録」自体、抽象的、象徴的な記述であるため、沢山の解釈を持つことになった竜である。
参考文献 新訳聖書 幻獣ドラゴン

文責 : ARES
イラスト : Tak