ガルグイユ
Gargouille

 
容姿・特徴 鱗に覆われた白鳥のような長い首をもち、鼻と顎は細く、ムーンストーンのような目を持つ蛇で、灰緑色の甲羅に身を包み、四肢の代わりにヒレを持っている。
出典 ヨーロッパ(フランス)民間伝承
解説  フランスの民間伝承に伝えられるドラゴン。伝承によれば、西暦520年に、ノルマンディーの首都ルーアンを流れるセーヌ川に現れたらしい。大量の水を吐き出し周囲の農村を水没させ、民を苦しめたと言われている。
 このドラゴンは、現れるたびに大津波さながらの水を吐き出すために、『大酒飲み』という意味の『ガルグイユ』と呼ばれ怖れられた。しかし、ルーアンの大司教が立ち上がり、討伐隊を募集した。名乗りを上げた死刑囚と共にガルグイユに立ち向かった大司教は、襲いかかろうとしたガルグイユに指で作った十字架に見せた。するとガルグイユはその十字架に恐れをなし、簡単に捕らえられたと言う。結果、ガルグイユは恨みを持つ農民達によって焼き殺され、灰の山となった。
 ガルグイユは、別名『ガーゴイル』とも呼ばれており、現在でも教会建築などに利用される題材の一つとなっている。ガーゴイルと聞くと、翼を持つ悪魔を思い浮かべるかもしれないが、実際のガーゴイルは種々の動物の物があり、ノートルダム大聖堂には、蛇型のガーゴイルを模した雨樋の排水口がある。
参考文献 龍のファンタジー(東洋書林)

文責 : 骨龍
イラスト : 酒屋カモメ