オピーオーン
Ophion
容姿・特徴
巨大な蛇。目が無い。
出典
ギリシャ神話
解説
別名オピーネウスとも言う。「海の老人」を意味する語。ギリシャの詩人オルペウスの考えた創世神話の中にあらわれる、世界の始まりとなった蛇である。それによれば、世界のはじめには大きな卵がひとつあり、これからオピーオーンが産まれ、その体から光と闇、愛が生まれ、その蛇が混沌の中をはいまわる動きから、熱や風が産まれた。そこから月の女神エウリュノメが産まれ、女神と蛇との間から太陽や星が産まれた。オピーオーンは最初のオリュンポスの王であったが、後に、大地ガイアの息子クロノスに、地底へと追いやられてしまう。
また別の神話では、最初にカオスから産まれたのはエウリュノメであり、エウリュノメの動きによりオピーオーンが産まれ、二人から全てが産まれたが、後に二人は夫婦喧嘩し、オピーオーンはエウリュノメに牙を抜かれ、頭を踏まれて地下へと追いやられてしまった。この神話では、まず女神とオピーオーンが交わり、その後女神が産んだ世界の卵をオピーオーンが孵すという手段をとっている。
キリスト教異端グノーシス主義の人々の一部は、この蛇とエデンに住まう古き蛇を同一視し、世界を創世した偉大なる蛇として崇拝した。
参考文献
ギリシア・ローマ神話辞典 幻獣ドラゴン
文責 : ARES
イラスト : 朱雀