ウラエウス
Uraeus

 
容姿・特徴 頭上に太陽を示す赤い円盤を乗せたコブラ。
出典 エジプト神話
解説  エジプト神話に度々登場する蛇。太陽円盤(赤く染められた丸)を額に乗せた蛇、または、ファラオの仮面などに付けられた、鎌首をもたげるコブラや翼を持つコブラとして描かれる。
 伝説の一つでは、ウラエヌスは太陽神ラーの目であったと伝えられる。目が旅に出た後連れ帰ろうとしてラーがトートを派遣し、連れ戻すと、ラーの目には既に新しい目があったため、元の目が怒った。それをトートが宥め、コブラに変えてラーの額を飾らせた事により、ウラエヌスになったとも言われている。(この場合、目は月を象徴すると考えられている。)
 ウラエヌスは、太陽の破壊的な側面を象徴するコブラの女神ブトなどの象徴であり、それはすなわち『力』の象徴でもあった。
 ファラオや力を持つ神々は、自らの力を誇示する為、或いは自らの守護者としてウラエヌスを額に飾ったと考えられている。
 ラーとアポピスの戦いでは、ウラエヌスは、ラーの額から鎌首をもたげ、強大な炎を吐いて敵対者を焼き滅ぼしたという伝説も残っている。
参考文献 エジプト神話 青土社

文責 : 骨龍
イラスト : 糸魚