りゅう・りょう・たつ

 
容姿・特徴 主に“三停九似の相”を備えている。
“停”とは、髪の生え際から眉までを上停。
両眼から鼻の先までを中停。
人中(鼻の下の浅い溝の間にあるツボ)から顎までを下停といい、それぞれ貴賎、寿天、貧富の相が表れる。
“九似”とは、頭が駱駝、角が鹿、眼が鬼、額が蛇、胴体が大蛇、鱗は魚、掌は虎、爪は鷹耳が牛に似ていることをいう。
顎の下には逆さに生えた鱗「逆鱗」があり、それに触れられると激しく怒り、触った者の命を奪う。
そして如意宝珠と呼ばれる、何でも思い通りになる力を持つ珠を持つ。
上には尺木(せきぼく)なるでっぱりがあり、これを持たない龍は空を飛べないとされた。
また一説では尺木ではなく、「尺水」と呼ばれる水であるとされている。
インドの神話では、蛇を神格化した半人半蛇か蛇そのものである。
出典 中国神話・インド神話・仏典
解説  一般的に、天や大海や地底に住み、雲雨を自在に支配する力を持つとされ鱗虫の長とされた。
 東洋では龍は生物としてではなく神として崇められている事が多い。
 龍の発祥は中国であり、殷・夏王朝よりも遥か以前から人々の龍に関する知識は存在しさまざまな種類と名前がある。
 例えば、蛟(角と四脚とを持つ蛇に似たもの)は1000年生きれば龍となりまた龍が500年生きれば角龍に1000年経てば応龍となるなど、年を経るごとに成長していくという説がある。
 インドの場合はコブラから連想されたナーガと呼ばれる水神が、中国の龍と同じ体が蛇であるという点から同じ龍と明記された。
 日本は元より蛇信仰が強かったため、渡来してきた龍は蛇と同一視されることが多い。
 龍は漢の高祖、劉邦から皇帝のシンボルとして用いられ周辺諸国でも権力の象徴とされてきた。
 また能力ある人物も龍と呼ばれ、有名な者は才能を長い間眠らせていたため「臥龍」とあだ名された三国志の諸葛孔明などがある。
 しかし龍とて最強ではなく、中国の言い伝えでは“雲が晴れ、雨がやめば竜蛇はミミズやアリに等しい”とある。
参考文献 竜の伝説(光栄)

文責 : 真鶴
イラスト : 666