七歩蛇
しちほだ
容姿・特徴
六センチほどの小さな蛇。真っ赤で鱗の間は金色に光り、耳が立っていて四足がある。この蛇が通ると、通った後の草は即座に焼け焦げる。
出典
伽婢子(日本民話)
解説
「伽婢子」に登場する怪奇を起こす毒蛇。噛まれると七歩歩かぬうちに死んでしまうほどの毒があるために七歩蛇という名前を持つ。この蛇は住んでいる土地に色々とあやしいことを起こすので、その土地には人が住めなくなる。京都東山より少し西のあたりにこれが出る山荘があったが、浦井という人がそこに住んでみたところ、毎晩おかしな奇形の蛇の群れが現れる。浦井は豪気であったので、それを皆捕まえ賀茂川に流してしまった。が、蛇はいよいよ増えて座敷やら柱やらを埋め尽くしてしまった。流石に浦井もうんざりして、地祭を行い天神に祈ると、翌日庭の石やら木やらが砕けたり倒れたりしていた。
家のものと一緒にそれを直していると、小さな蛇が逃げていく。更に蛇の逃げるに従い草が焦げる。これはあやしいと思いそれを打ち殺し、僧に見せたところこれは七歩蛇というもので仏教の本にもある」と言ったという。
また、日蓮宗の法華抄にも、「所謂、七歩蛇に食れたる人、一歩乃至七歩をすぎず。毒の用の不思議にて八歩をすごさぬなり。」という記述がある。
参考文献
日本未確認生物辞典 法蓮抄
文責 : ARES
イラスト : 篠北 輝霧