黒龍
こくりゅう

 
容姿・特徴 身体の黒い東洋龍。腹が朱色であることもある。気性は概して荒い。
出典 日本民話 仏教
解説 仏教では倶利迦羅(くりから)龍と言う。岩の上に刺さった剣を呑む黒龍としてあらわされ、剣は不動明王、龍は魔王であるとされる。また、この剣と剣に巻きついた黒龍全体を「倶利迦羅明王」として不動明王の加護の印することもある。そもそも「くりから」とは、サンスクリット語では「剣に黒龍を巻いたお不動様」というような意味になり、説によっては黒龍は、まったく逆の意味合いを持つことになる。
民話にて伝わる黒龍は、多くは普通の龍と同じく、神性をそなえた竜である。日本国内では、国が出来てまもなくして越前の国に降りた黒龍大明神というものがつたわっており、福井県の昔話の中に、この龍が夢に現れて社を立てたなどという話がのこっている。また、「甲子夜話」には、海より上天する黒龍を見たという話が残されている。
参考文献 日本未確認生物辞典 神の辞典

文責 : ARES
イラスト : 方々